| 寝不足の原因 |
「……ふあぁ……」 人目をはばからず盛大なあくびを漏らすリーダーに、冷ややかな視線が注がれる。 「大きな口あけて、みっともない」 痛烈なお言葉に、しかしリーダーである少年は 「やあ、ルック……おはよう」 さらりと言葉を受け流して朝の挨拶を投げかけた。その顔はまだ眠そうだが、あくびは止まったようだ。 「寝てないわけじゃあるまいし」 ルックはといえば、昼夜関係なく石版の前に陣取っている。 瞬きの鏡前にいるビッキーと並んで、いつ眠っているのかとか、いつ食事を取っているのか、など疑惑の多い彼だが、 あくびをしたり転寝をしたりしている様をついぞ見たこともない。 「いやぁ、それがさあ……」 寝癖のついた髪をかきながら、リーダーが顔を曇らせる。その表情に、ルックが首を傾げた。 「なんだい?」 「……夜中に、誰かが枕もとに立ってたんだよ」 その言葉に、ルックの背筋が凍りつく。それに気付かずリーダーは続けた。 「何かお経みたいな、難しいこと言ってた気がするんだけど、よく覚えてないし……」 「そ、そう……」 「どっかで見たことある人だった気もするけど、寝ぼけてたからさあ。気付いたらいなくなってて、それから怖くって 寝られなかったんだよ」 言い終えたところで、リーダーはルックの様子がおかしいことに気付く。 「ルック?」 「そ、それ……多分」 レックナート様だ。ルックは直感する。門の紋章戦争の際にも、解放軍リーダーの所に時折現れて、助言を 行っていたというが。 「多分?」 「……いや、いい」 冷や汗をかいているルックに、リーダーは首を傾げる。 「誰だか知らないけど、用があるなら起きてる時に来てくれればいいのに」 そう言いながら会議室に向かうリーダーを見送り、ルックは心の中でため息をついた。 (ごもっとも……) 折角の助言も、寝ぼけている人間相手では意味もない。 (もしかして、前の時も……いや、よそう) 解放軍リーダーも、寝起きの良い方ではなかった。 そう考えると、果たしてレックナートの言葉を覚えていられたかどうか、怪しいものだ。 (……レックナート様には言わない方がいいな) それとも、こう言っておくべきだろうか。 「夜這いはやめたほうがいいですよ」 と……。 -完- |
なんでわざわざ夜中に来るんでしょう、あのお人。 主人公が一人の時を見計らってるんでしょうが、それにしたってねえ(^_^;) IIIではとうとう、夜這いなくなりましたね。 トーマス君の所に夜這いに来てたら大爆笑なのに(笑) |