| 冗談 |
突きつけられた切っ先に、ナッシュは心の中でため息をつく。 まったくもって、しぶとい連中だ。しかし、なぜこんな辺境の地に強豪がごろごろしているのか、そしてなぜ、これほどの 男たちがあの狂皇子ルカ・ブライトのもとにいるのか分からない。 「解毒剤を持っているのでしょう。出しなさい」 彼に剣を突きつけたまま、静かな声でクルガンは告げる。 彼の後ろには、先程ナッシュに切りつけられ倒れ伏したままのシードの姿。傷は致命傷には至っていないが、ナッシュの 振るった剣には、猛毒が塗られていた。このままでは、もたないだろう。 「そうすればこの場は見逃しましょう」 悪くない取引のはずだ。しかし、ナッシュは黙って首を振る。 「……そういうわけにはいかないな」 「……でしたら、このまま切り裂いて差し上げましょうか?私はシードほど気が短い男ではありませんが、今は時間がない のでね。さあ、出しなさい。持っているのでしょう」 「持ってない。」 鳥のさえずりが、妙に辺りにこだまする。 「……今、なんと?」 「だから、そんなものはないのさ。この双蛇剣グローサー・フルスは、扱いを過てば持ち主さえ死に至らしめる呪われた剣。 そういうことだ」 「ほう……」 目の据わったクルガンの凄まじいまでの殺気に、ナッシュは冷や汗をだらだら流しながら後ずさる。 「わわわ、じ、冗談だって」 「冗談は時と場合を選んで言いなさい!」 「わーっ!!何するんだ!!」 「言わないのなら奪うまでです」 「や、やめろって!」 その数分後、解毒剤でシードは事なきを得た。 解毒剤が効いたのを見てほっとするクルガンの横で、思いっきり装備やら服やらを剥ぎ取られて裸同然のナッシュが涙目 でいじけていたという…。 「野郎にひっぺがされるなんて……屈辱だ……」 -完- |
実際問題、うっかり自分を切っちゃった時には解毒剤ないと死んじゃいますからね、持ってないわけないんですが。 私的にはクルガンに詰め寄られるシーンで、会話の選択肢欲しかったなあ……。 勿論、上のような回答をするとLPが溜まる感じで(笑) |